商品名:池川伸治 / 修羅美人(貸本)
出版社:東京トップ社
タイトル:修羅美人
作者:池川伸治
サイズ:A5
状態:発行年不明、巻末の刊行案内より1968・69年辺りと推測されます。貸本加工が為されており、ビニカバ・紐綴じ・見返しに貸出票貼付。加工による歪み強め。小口ヤケ強め。本そのものの状態はあまり良くありませんが、本文中のヤブレ・大きなヤケシミ等はなく、通読に問題はありません。
池川伸治長編作品。
ある日、孝子の通う中学校の先生が「日本児童芸術祭」への出展演目として「修羅美人」という演劇の役をクラス投票で決める。結果、「クラスで一番いじわるな人」が光子、「クラスで一番やさしい人」が孝子に決まって各々そのイメージに近い役をする事となり、翌日から先生・隣町の中学校の少年フジオを加えた四人で練習に励むことになる。
…という大筋とは別に、衝撃的な冒頭部が微妙にオチと噛み合ってない気はするものの、どこまで池川先生が狙われたものか分かりませんが、「現実と演じている役柄との境界が、演じている本人にも読者にもどんどん曖昧になっていく」という後半展開の演出、滅茶苦茶漫画が巧いです。
おそらく冒頭の描写は「演技指導を行う先生が実は人心操作の天才で…」という伏線だったのか?とも思うのですがラストに繋がるにはちょっとページ数が足らなかった様な結末。とはいえ怪奇色は薄いものの、絶妙に不条理・ミステリー・ホラーいずれとも言い難い、個人的には文句無しに面白い方の池川先生の作品。
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